美容業界の現状と社会問題の課題を解決する方法
  • 美容業界で独立・開業を検討している
  • 美容師がひとり美容院を今から立ち上げてもうまくいくのかな?
  • 美容業界は社会問題が多いと言われているけどどういうこと?

美容師や理容師などの資格を取得して、独り立ちをしようか考えている人は多いです。

一方で、「上手くいかない可能性」、「失敗したくない」という不安を抱える人もたくさんいます。

今回の記事では、美容業界の社会問題をわかりやすく解説します。

美容業界の現状と動向

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美容業界全体の動きについて解説します。

2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今までの当たり前が通用しなくなりました。

外出を控える動きが高まることで、あっという間に女性の美容にかける金額が減少したのです。

2023年にようやく落ち着きはじめたことで、百貨店の化粧品(コスメ)の売上も回復し始めています。

では、美容院はどうでしょうか?

  • ファッションにも気を遣わない生活が続いていた
  • 電気代が高騰化するから節電グッズなど生活必需品で買いたいものもある
  • 行きたいところもある。

こんな心理状態によって、客単価アップといった大きな変化を感じられないという店舗も多いようです。

美容室の店舗数も美容師の数も増加

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手に職を求める動きは高まっています。

エンジニア、プログラマなどのパソコンを使う仕事だけではありません。

出産後にも仕事ができるように、自分のお店を持ちたいという女性も多くなりました。

結果的に、全国では年間3000~4000件の美容室がオープンし続けてきたのです。

2018年には、全国の美容室の店舗数は25万件を突破。

最近では、フリーランスになって、特定の美容室には所属せずに、店舗の一部のスペースをレンタルする「シェアサロン」というスタイルで仕事をする人も出てきました。

施術メニューも幅広くなりました。

美容室の中に、ネイルサロンや脱毛機を設置して、まつげエクステやネイル、アイリスト、エステティシャンを雇用するサロンもあります。

社会問題①離職率の高さ

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ライフワークバランスという言葉が広がり、プライベートを確保する動きも高まっています。

結果的に、入社3年目の離職率の高さが50%前後という数字になっています。

美容師免許を取得して現場に立っても、現場で一人前になるまでには、時間がかかります。

一人前になる前には、以下のような悩みで、退職を決断する人が多いのが現実です。

  • 長時間労働が当たり前になっている
  • 休みが取れない
  • プライベートタイムがない
  • サービス残業が当たり前になっている

こんなブラックの業界イメージが浸透しているのが現実です。

美容業界の社会問題の裏側

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美容院(ヘアサロン)における課題は、いろいろあります。

客単価アップできない

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とにかく安い金額でお願いしたい

シャンプーもセットもいらないから早く終わらせてほしい

こんなニーズに応えるために、「1000円カット専門店」などロープライスで展開する店舗が増えたことで、価格競争が激化しました。

出生率が減少傾向にあり、少子高齢化も加速しているため、顧客獲得の難易度はますます厳しくなっていくでしょう。

すると、平均単価を維持することが困難になり、客単価アップを目指すよりも顧客の安定を優先するオーナーも多いようです。

どんなにデザインカラー、トリートメント・ヘッドスパなどの新しいサービスを導入してもすぐに近くのお店も真似をして、価格を落としてくる。

こんな競争を繰り返しても、単価アップを狙うのは難しいというのが現実です。

働き方改革が進まない

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美容業界で働く人たちも、30代になれば、結婚を考えるようになり、女性は妊娠、出産、育児を考えるようになります。

労働環境として通いやすいお店で長年勤務してくれた方が寿退社になれば、ベテランの穴を埋めなければいけない状態になります。

つまり、新人は、忙しい中で残業してもらったりしながら、早く育てなければいけなくなります。

こうした繰り返しによって、本来であれば、「1日8時間 週労働時間40時間」を遵守したいと思っていても、なかなか現実的には難しい状況になってしまうという店舗も多いようです。

SNSや口コミも苦労が多い

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美容師が発信するお役立ち系チャンネルを運営する。

インスタでカラー、パーマ、スタイリングのコツなどの情報を発信する

など、さまざまな方法を試す人がいます。

「美容院と相性が良いマーケティングツールと言えば、Instagramがオススメです」

こんな書き込みが検索結果の上位にあることで、多くの美容師が一斉に同じ場所で投稿する。

こんなことをくりかえしているため、差別化ができず、いくら投稿しても反応がない、お客が来ないなどの悩みからも解放されない状態が続いています。

美容室がインスタ集客できない原因と成功させるコツ

美容院の社会問題を解決する方法

超高齢化社会に適した施策の考察

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日本の高齢化はますます進み続けます。

このままでは、20年ともたない間に人口の35~40%が高齢者になるというデータも開示されています。

こんな時代になったらどうなる?

30代でオープンした人は、50代にはこの時代を生きなければいけない。

ではどうすればいいでしょうか?

外出が困難な人に向けた出張サポートも展開することを考慮しなければいけないでしょう。

老人ホームや特別養護老人ホーム、医療系介護施設との提携を検討するという考え方もあります。

つまり、美容業界としてだけではなく、「福祉美容」という考え方も求められているのではないでしょうか?

そこで、若い人達だけではなく、高齢の方向けにどうすれば、認知をしてもらえるのかを考えることも大切です。

経営システムの再構築

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美容師の仕事は、施術や接客だけではありません。

独立、起業したら、店舗を複数展開して自動収益化。

こんなイメージばかりを持っているのは時代遅れと言えます。

現場の悩みを知っているからこそ、会計、予約システム、開業支援等の仕組みを考える人がいてもいいのではないでしょうか?

ただ単にすべての店舗をライバルとするのではなく、従業員同士のレンタルやオファーを実現させることで、人材不足を補うことも考えてみてはいかがでしょうか?

美容師の負担を軽減することが、新しい人材確保にもつながりますし、一つの店舗ではなく、複数の店舗を経験することが、本人のスキルアップにもつながります。

より質の高いサービスを提供するために、業界全体がつながる方法を考えることも大切です。

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